「自動車の古物商許可を取るのは難しいと言われた」
「古物商許可を取るだけで中古自動車販売はできるの?」
中古自動車を取り扱うために古物商許可を取ろうとする方の多くが、疑問に思われることではないでしょうか。
古物商許可の取得で「自動車」と「自動二輪車」の審査は、他の区分に比べると厳しくなります。
そもそも古物商許可は、「盗品などが中古市場に流れることを防止すること」と「盗品を速やかに発見し、持ち主の被害の回復をはかること」を目的に定められたものです。
自動車や自動二輪車は価格が高く、犯罪グループなどによる盗難事件が多く発生しています。そのため、自動車商には盗難車かどうかを見極める能力や経験なども必要になるため、審査が厳しくなっているのです。
そこでこの記事では「古物商許可の取得で自動車商の審査が厳しい理由や、自動車商の古物商許可申請で必要なもの、中古車販売をするには古物商許可だけで良いか」などについて解説します。
古物商許可で自動車商の審査がきびしい理由
古物商許可申請で自動車商の審査が、他の取り扱い区分に比べて厳しい理由は、前述のように犯罪グループによる組織的な盗難などに関わる事があるためです。
中古自動車は価格が高く、大きな儲けになるため、多くの盗難事件が発生しており、珍しい事件ではなく日常的におこりえるものになっています。
そのような盗難品が持ち込まれた場合に、速やかに盗難品かどうか見極める能力や経験が必要になります。
そのため申請者には、自動車や中古車業界での経験や知識が問われることになります。
他の取り扱い品目と違い、経験や知識がない場合には、不許可となる可能性も高くなりますので、十分に準備してから申請しましょう。
自動車商の許可申請をするときに必要なもの
自動車で古物商許可申請をする場合には、経験や知識とともに営業所や事務所・店舗などのハード面での条件が厳しく確認されます。
国内で中古自動車販売をする場合であれば、自動車の保管場所についても確認されます。
都道府県によっても異なりますが、4台程度の車を保管する場所(駐車場や土地)に関する書類を求められることもあります。
添付する書類としては、保管場所の位置がわかる周辺地図や配置図、保管場所の賃貸借契約書、使用承諾書、自己所有物件の場合には登記簿謄本などが必要になることがあります。
中古車販売は古物商許可だけでよい?
「中古車販売をするには古物商許可を取得するだけでよいのか?」という疑問を持たれる方も多くおられます。
これは結論から申し上げますと、古物商許可を取得するだけで中古車販売を行うことは可能です。
ただし、あわせて取得しておいた方がビジネス的に有利になるものもありますので、自分の営業スタイルを考慮して、必要そうなものは取得しておいた方が良いでしょう。
特に「リサイクル法に基づく自動車引取業登録」や「自動車解体業許可」、「金属くず商許可」の取得は、検討をおすすめします。
1)リサイクル法に基づく自動車引取業登録
中古車販売には、中古車の買取販売だけでなく、使用済み自動車(廃車)の回収も依頼されることがあります。
しかし、古物商の免許だけでは、中古車の買取販売はできても、廃車の引取りはできないことになっています。
したがって、使用済み自動車を回収するためには、古物商の許可に加え、「自動車引取業」の登録が必要となるのです。
なお、古物商許可には有効期限がありませんが、自動車引取事業には5年間の有効期限がありますので、ご注意ください。
2)自動車解体業許可
使用済み自動車の引き取りができると、自動車を解体してパーツなどの販売をすることができるようになります。
ただしこの場合には、「自動車引取事業」の登録とは別に、「自動車解体業許可」の取得が必要になります。
また、古物商の免許には有効期限がありませんが、自動車解体業の免許には5年の期限がありますので、ご注意ください。
3)金属くず商許可
廃車などからでる金属塊を買取販売する場合には、「金属くず商許可」が必要になることがあります。金属塊も古物商許可で取引できる都道府県もあり、要確認です。
別途「金属くず商許可」が必要なのは以下の16都道府県となります。
北海道|茨城県|長野県|静岡県|岐阜県|福井県|大阪府|兵庫県|滋賀県|奈良県|和歌山県|岡山県|広島県|島根県|山口県|徳島県 |
古物商許可で自動車を取り扱う注意点
前述までの通り古物商許可において、自動車の審査は他の区分にくらべて厳しくなります。追加の必要書類やビジネス形態の説明など、警察署担当者とのやり取りが非常に多くなる傾向があります。
このやり取りは「事情の聞き取り」としての性質もありますので、適正に対応しないと不許可になる可能性が高まります。
古物営業法や自動車商の概要などをくわしく理解した上で、対応する必要がありますのでかなりの時間を要することになるでしょう。
このような理由から、中古車販売を考えられている方は、古物商許可申請を得意とする行政書士への依頼を検討することをおすすめします。
行政書士へ依頼することにより、依頼者と警察署のクッション役となり、スムーズな申請が可能となるでしょう。
古物商許可を取得して中古自動車販売まとめ
中古自動車は価格が高くなるため、犯罪グループなどによる盗難が多発しています。
そのため自動車商には、盗難車が持ち込まれた場合に見極めることができるスキルや経験などが要求されます。
このような理由から、「自動車を取り扱う場合の古物商許可申請」の審査は厳しくなります。
中古自動車販売などをお考えの方は、古物商許可申請が得意な行政書士への依頼をおすすめします。
コストパフォーマンスの面でも、スムーズな許可取得の面でも、非常に優れています。
また申請者と警察署のほどよいクッション役となり、許可取得の可能性向上にも貢献するでしょう。
大阪府枚方市くずは「行政書士おおむら法務事務所」は古物商許可申請を専門です。
私自身も約7年ブランド古着買取専門店を運営経験があり、現在も現役の古物商です。
申請書類の作成代行は全国対応しています。大阪・京都・滋賀・奈良・兵庫の一部では、「申請書類の提出代行」や「許可証の受取代行」も対応しています。
疑問点や困りごとなどありましたら「お問い合わせフォーム」より、お気軽にご連絡ください。
参考:古物商許可の要件や必要書類を申請の流れとともに大阪の行政書士が分かりやすく解説します
参考資料:大阪府警察ホームページ「古物商許可申請」