【実家の相続登記】親が亡くなった後の手続きの流れをわかりやすく解説!

親が亡くなった後、実家の不動産の名義変更、つまり相続登記の手続きをしなければならないことはご存知でしょうか?  相続登記は、放置すると後々トラブルに発展する可能性があるため、速やかに手続きを進めることが重要です。

しかしいざ手続きを始めようと思っても、何から手をつければいいのか、どのような書類が必要なのか、わからない方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、実家の相続登記の、手続きの流れを、必要な書類や注意点などを交えながらわかりやすく解説します。

参考:遠方にある不動産を相続登記する場合の注意点について解説します!

1. 相続の準備

相続登記の手続きの前に、まずは相続の準備として、以下の3つの段階を踏みます。

1)遺言書の有無を確認する

まずは、遺言書の有無を確認しましょう。遺言書があれば、その内容に従って遺産分割が行われます。遺言書が見つかった場合は、家庭裁判所で検認の手続きが必要になりますので、ご注意ください。

2)相続人を確定する

次に、相続人を確定します。相続人は、民法で定められた法定相続人の中から決定します。法定相続人は、配偶者、子、親、兄弟姉妹などです。相続人を確定するためには、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や除籍謄本、相続人全員の戸籍謄本などを収集する必要があります。


参考:法務局「法定相続人 (範囲・順位・法定相続分・遺留分)」

3)相続財産を調査する

相続財産には、不動産だけでなく、預貯金、株式、自動車など、様々なものがあります。相続財産を把握するためには、通帳や証券会社からの取引明細書、固定資産税の納税通知書などを確認する必要があります。

借金などのマイナス財産をしっかりと調査して、マイナスの方が多そうな場合には、限定承認や相続放棄を検討しましょう。


2. 遺産分割協議

相続人が複数いる場合は、遺産分割協議を行い、誰がどの財産を相続するかを決定します。遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要です。

1)遺産分割協議の方法

遺産分割協議は、相続人全員が直接会って話し合う方法が一般的ですが、書面やメールなどで行うことも可能です。遺産分割協議の内容は、遺産分割協議書として書面に残しておくことが重要で、相続人全員の署名と実印が必要です。

2)遺産分割協議がまとまらない場合

遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。調停でも合意が成立しない場合は、審判手続きに移行し、家庭裁判所が遺産分割の内容を決定します。

税理士や司法書士などの専門家に同席してもらうと、スムーズにまとまるケースも多いので、「財産に不動産がある」「相続財産が多い」などの場合には、相談を検討しましょう。

参考:法務省「不動産を相続した方へ ~相続登記・遺産分割を進めましょう~」


3. 相続登記の申請

遺産分割協議が完了したら、法務局に相続登記の申請を行います。相続登記の申請は、相続人自身が行うこともできますが、司法書士に依頼することが一般的です。

1)必要書類

相続登記の申請に必要な書類は、以下のとおりです。

・登記申請書
・相続を証明する書類(遺産分割協議書、遺言書など)
・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本、住民票
・固定資産評価証明書
・印鑑証明書
・登録免許税を納付したことを証明する書類

2)申請先

相続登記の申請先は、不動産の所在地を管轄する法務局です。

3)登録免許税

相続登記の登録免許税は、不動産の固定資産税評価額の0.4%となります。例えば、固定資産税評価額が5,000万円であれば、「5,000万円×0.4%=20万円」です。



4. 相続登記完了とその後

法務局に提出した書類に不備がなく、審査が完了すると、相続登記が完了です。法務局から「登記完了証」が交付され、不動産の登記簿上の所有者が、被相続人から相続人に正式に変更されます。これで、名実ともに不動産の所有権が相続人へと移転したことになります。

登記完了後、法務局から「登記識別情報通知書」も交付されます。これは、不動産の登記に関する重要な情報が記載された書類で、今後の不動産取引に必要となるため、大切に保管してください。なお、この通知書は、登記完了から3ヶ月以内に受け取らないと、再発行の手続きが必要となるので注意が必要です。

相続登記が完了したら、名義変更に伴い、固定資産税の納税義務者も相続人に変更となります。各自治体への手続きが必要となる場合があるので、お住まいの地域の役所にご確認ください。また、不動産を売却したり、担保に設定したりする場合には、この登記済証と登記識別情報通知書が必要となります。


5. 相続登記を放置することのリスク

相続登記を放置すると、以下のようなリスクがあります。

・売却や担保設定などの手続きができない
・相続人が増え、遺産分割協議が複雑になる
・不動産の管理が行き届かなくなる
・将来的に相続争いが発生する可能性がある

相続登記は、2024年4月1日から義務化され、放置することで様々なリスクが生じます。  「いつかやればいい」と安易に考えて放置してしまうと、後々、自分自身だけでなく、相続人全体に大きな負担を強いる可能性があるので注意が必要です。

参考:政府広報オンライン


6. 相続登記に関する注意点

実家の相続登記を進めるにあたって、いくつか注意しておきたい点があります。これらの点を押さえておくことで、手続きをスムーズに進め、後々のトラブルを避けることができます。

まず、相続登記の申請には、様々な書類が必要となります。戸籍謄本や住民票などの基本的な書類に加え、遺産分割協議書や遺言書など、相続関係を証明する書類も必要です。  これらの書類は、それぞれ取得方法や有効期限が異なるため、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。

また、相続登記には、登録免許税という税金がかかり、税額は不動産の評価額によって異なります。事前に税額を把握しておき、納付の準備をしておく必要があります。

相続登記の申請先は、不動産の所在地を管轄する法務局です。オンラインでも手続き可能ですが、事前準備や操作ルールがありますので、事前に確認しておきましょう。

2024年4月1日以降、相続によって不動産を取得した場合は、3年以内に相続登記の申請をすることが義務付けられます。正当な理由なく3年以内に申請を行わない場合は、10万円以下の過料が科される可能性がありますので、十分にご注意ください。



7. 実家の相続登記まとめ

今回は、実家の相続登記の、手続きの流れについて解説しました。相続登記は、複雑な手続きではありますが、この記事を参考にして、1つずつ手続きを進めていきましょう。

相続登記は、「不動産が複数ある」「相続人が多い」などの場合には、非常に複雑な手続きとなる場合もあります。必要に応じて、司法書士などの専門家に相談することも検討しましょう。専門家のサポートを受けることで、手続きをスムーズに進めることができます。

参考:2024年4月に義務化された【相続登記】とは?手続きしないと罰則やご家族に迷惑がかかります!


  • この記事を書いた人

行政書士WEBライター

相続記事、法律系記事の執筆ならお任せください!趣味は食べ歩きと旅行です(^^)/

【保有資格】
特定行政書士|入管申請取次|宅建士|簿記2級|FP技能士|衛生管理者|著作権相談員|デジタル推進委員|WEBライター検定|WEBクリエイター能力認定エキスパート

-コラム一覧, 相続, 相続登記