建設キャリアアップシステム(CCUS)登録は2022年度中にした方が良い理由

『周りでもCCUS登録している人が増えてきた』
『CCUS登録していないと現場に入れなくなると聞いた』

建設キャリアアップシステム(CCUS)についてこのような話題が増えてきました。

公共工事では2023年度からCCUS登録が原則化される予定です。このような背景を受けて『そろそろCCUS登録した方がよいのかな』とお考えの方が増えてきています。

公共工事のCCUS登録原則化を受けて、大手業者の工事現場でもCCUS登録が必要になってくると予想できます。このような流れからCCUS登録は2022年中にした方が良い理由などを大阪の行政書士が解説します。

CCUS登録についてお考えの方は参考にしていただければ幸いです。

CCUS登録は2022年中にした方が良い理由

前述のように公共工事は2023年4月からCCUS登録が原則化される予定です。予定が遅れたとしても徐々に原則化される流れは変わることはありません。

 

それにともなって大手業者の工事現場などでもCCUS登録が原則化されていきます。

 

国土交通省ホームページで公表されている「建設キャリアアップシステムの利用状況(2022年6月末)」では、建設業許可業者の事業者登録は約38%が完了済み、技能者登録は約30%が完了済みとなっています。

 

「建設市場における元請完工高シェアと事業者登録の進展状況(2022年3月末)」から見ても元請事業者のCCUS利用率は増加してきているのがわかります。

 

まだ事業者登録をしていない事業者でも大半が「今後登録する予定」となっており、明確に「登録するつもりがない」「CCUS自体を知らない」としている事業者は全体の10%未満となっています。

 

これらの状況を考えると2023年4月が近付くにつれて、駆け込み登録が増える可能性があります。現状でも登録完了から登録カードが届くのに1~2ヶ月かかっていますので、駆け込み登録が増えると更に日数がかかると予想されます。

 

これらを考えるとCCUS登録は2022年中にしておいた方が良いと言えます。

 

※令和3年3月末の全国建設業許可業者数は473,952業者です

参考資料:国土交通省「CCUSポータル関係資料」より

 

急にCCUS登録が必要になっても最速1~2ヶ月かかる

元請事業者から急に『CCUS登録していないと仕事をまわせない』と言われる可能性も大きくなります。特に公共工事割合が高い地方では、更にCCUS登録が必要になる場面が多くなると思われます。

 

しかし、CCUS登録は非常に時間がかかります。2022年8月現在でも登録完了から登録カードが発行されるまでに1ヶ月かかっています。登録不備があれば更に1ヶ月かかりますので、早目に登録をしておかないと仕事ができないという状況に陥ってしまう可能性があります。そうなると大きな機会損失となりますので、早目にCCUS登録しておくことをおすすめします。

 

CCUS登録の流れ

CCUS登録の流れはつぎのようになります。

 

1)事業者登録

①必要書類を準備する
②登録申請(インターネット申請または認定登録機関申請)
③確認・審査(1~2ヶ月かかる)
④登録料の支払い
⑤事業者情報登録が完了
⑥事業者IDと管理者IDの受け取り

2)技能者登録

①技能者の本人確認書類および必要書類を準備する
②登録申請(インターネット申請または認定登録機関申請)
③登録料の支払い
④確認・審査(1~2ヶ月かかる)
⑤技能者情報登録が完了
⑥技能者IDと建設キャリアアップカードを受け取り

流れ自体はシンプルなのですが入力や記載、添付書類が複雑なため、ご自分で登録申請された場合には約8割近くの不備が発生して、非常に時間がかかっていますのでご注意ください。

 

CCUS登録の流れについて詳しくは『一人親方が建設キャリアアップシステム(CCUS)登録申請する手続きの流れや費用を解説』をご覧いただければ幸いです。

 

2023年4月からCCUS登録していないと現場に入れない

このような流れから2023年4月以降はCCUS登録していないと、現場に入れないということが増えていきます。建設事業者にとっては仕事が貰えないということになり、死活問題となります。

 

CCUS登録には手間と費用がかかりますが、事業上で発生する経費と割り切って早目に登録した方がよさそうです。仕事が受注できないという大きなリスクに備える方が重要です。

 

できるだけ早目にCCUS登録する方がよいと思いますが、遅くても2022年中にCCUS登録するようにしましょう。

 

「CCUS登録は2022年中に」まとめ

 

最後までご覧いただきありがとうございます。

今後、建設業をつづけていかれるならCCUS登録は早目にしておいた方がよさそうです。建設業退職金共済(建退共)も2023年度をめどにCCUSシステムによる電子申請へ完全移行予定となっています。そうなると益々CCUS登録の必要性が高まると思われます。

 
 

それでは本コラムのまとめです。

●CCUS登録は2022年中にした方が良い
公共工事では2023年度からCCUS登録が原則化される予定

●CCUS登録は最速で1~2ヶ月かかるので早目に登録しましょう

●CCUS登録は入力や添付書類が複雑で、自己登録の約8割不備修正が発生し更に日数がかかっている

●『CCUS登録していないと仕事をまわせない』と言われたら一大事です。リスク回避の観点からも早目にCCUS登録することをおすすめします

 
 

大阪府枚方市くずは「行政書士おおむら法務事務所」は、京都・大阪の建設業許可申請を専門におこなっています。またCCUS登録行政書士にも認定されていますので、ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

 

  • この記事を書いた人

特定行政書士×プロライター

ビジネス・法律系記事の執筆が得意な人。会社経営歴10年。
東証一部不動産・建設会社や中小企業、社労士事務所などで「法律系事務」や「人事総務」などを長年経験。

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