賃貸の居住用物件を古物取引の営業所にする場合には、十分に注意しましょう。
古物商許可申請の際に、使用承諾書(営業所)の提出を求められることがあります。
古物商許可申請をする場合には、必ず管轄警察署に確認して、計画するようにしましょう。事前に確認しないと、万が一、営業所として認められない場合には、大きな損失となってしまいます。
そこでこの記事では、「古物商許可の使用承諾書(営業所)が必要なケースや、見本・テンプレート、書き方や注意点」などについて解説します。
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営業所の使用承諾書が必要な関西の都道府県
令和2年(2020年)4月1日から古物営業法が改正され、古物商許可申請の必要書類にも変化がありました。
営業所の使用承諾書もその一つです。
営業所の使用承諾書は、営業所が「他人名義」や「居住用」物件などの場合に、「営業所の使用権限」を証明するために提出する書類です。
営業所の使用承諾書が申請の必須書類でなくなって以降の対応は、各都道府県や警察署によって異なっています。
関西地方の2府4県の対応は、下記のようになっています。
大阪府 | 不要(ただし警察署によって求められる場合も有り) |
京都府 | ケースバイケース |
兵庫県 | 不要 |
奈良県 | 不要 |
滋賀県 | 必要 |
和歌山県 | 不要 |
※2023年3月21日現在
大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県については、営業所の使用承諾書は不要とされるケースが大半です。
ただし、警察署によって対応が異なる場合がありますので、古物商許可申請をする管轄の警察署に事前に確認するようにしましょう。
営業所の使用承諾書が必要な場合
営業所の使用承諾書が必要になるのは、基本的には営業所が「他人所有」で、「居住用」物件である場合です。
ただし、「自己所有」でもマンションなど「居住用」物件の場合には、管理組合の使用承諾書が必要になります。
つまり、賃貸物件(他人所有)でも、賃貸契約書で「事業用」や「事務所使用可能」であることが確認できれば、使用承諾書は不要となります。
■営業所の使用承諾書が必要な場合
他人所有 | 居住用(事業用の明記がない場合も) |
自己所有 | 居住用マンションなど |
使用承諾書(営業所)の見本・テンプレートの書き方や注意点
使用承諾書(営業所)は、古物商許可申請の必須書類ではなく、決まった様式はありません。
必要としている都道府県でも、見本を掲載しているケース、していないケース、などまちまちで分かりにくくなっています。
そこで、掲載されている見本などを参考にして作成したテンプレートをもとに、書き方や注意点などを解説します。
1)使用承諾書(営業所)の見本・テンプレート
前述のように、使用承諾書(営業所)には、決まった様式はありません。
ようするに、「古物取引を行う営業所として使うことの承諾」を得ていることを証明できれば良いだけです。
そのことを踏まえて作成した、見本・テンプレートは以下のようになります。
2)使用承諾書(営業所)の書き方
古物商許可申請書もそうですが、記載する住所や氏名・名称は添付する書類と一致していなければなりませんので、そのことを念頭に置いて書くようにしましょう。
①物件所在地
物件所在地は、営業所の「賃貸契約書」や「登記簿謄本」などの添付書類と一致するように記載しましょう。
②使用者の住所、氏名・名称
使用者の住所や氏名・名称は、「住民票(個人)」や「法人登記簿(法人)」などの添付書類と一致するように記載しましょう。
③承諾者
承諾者は、物件の「所有者、管理会社、管理組合」などの許可権限のある者となり、「署名・捺印」が必要になります。
3)使用承諾書(営業所)の注意点
①公営住宅は、営業所として使用できません。したがって、使用承諾書も発行されませんので、ご注意ください。
②バーチャルオフィス、コワーキングスペース、レンタルオフィスなどは、営業所して認められない場合や、使用承諾書(営業所)が発行されないケースが大半です。
③居住用物件の場合には、使用承諾書が貰えないケースが多くなります。
使用承諾書をもらえる場合も、賃貸契約や火災保険などが変更になる可能性があります。
賃貸物件は、居住用と事業用では消費税など税金の取り扱いが異なります。また、火災保険も居住用と事業用では、内容や保険料が大きく異なるため、法律的にいうと変更する必要があるためです。
④使用承諾書の提出が不要な都道府県でも、物件所有者などの承諾は得ておくように警察担当者から指導されることもあります。
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「古物商許可申請の使用承諾書(営業所)」まとめ
使用承諾書(営業所)は、古物商許可申請の必須書類ではなくなりました。
しかし、依然として提出を求める都道府県警察があるので注意しましょう。
不要とされる都道府県でも、警察署ごとで対応が異なることがあるので、必ず事前に確認するようにしましょう。
居住用物件の場合には、使用承諾書(営業所)がもらえないケースも多いので、十分に注意が必要です。
使用承諾書がもらえない場合や、営業所に関して疑問や不安がある場合には、古物商許可申請が得意な行政書士に相談してみると良いでしょう。
大阪府枚方市くずは「行政書士おおむら法務事務所」は古物商許可申請を専門です。
私自身も約7年ブランド古着買取専門店を運営経験があり、現在も現役の古物商です。
申請書類の作成代行は全国対応しています。大阪・京都・滋賀・奈良・兵庫の一部では、「申請書類の提出代行」や「許可証の受取代行」も対応しています。
疑問点や困りごとなどありましたら「お問い合わせフォーム」より、お気軽にご連絡ください。
参考資料:大阪府警察ホームページ「古物商許可申請」