古物商許可は、要件さえ満たしていれば、申請自体はさほど難しいものではありません。
ただし、警察や役所に複数回にわたって行く必要があり、非常に手間と時間がかかります。
また、警察署ごとのローカルルールがあり、管轄警察署にしっかりと確認する必要があるのも時間がかかる要因の一つです。
申請が受理された場合にも、審査期間が40日もかかりますので、お急ぎの方は十分に注意しましょう。
この記事では、「古物商許可を取得するのにかかる【日数や期間】」などについて解説します。
古物商許可申請の審査期間は最短40日
古物商許可は、申請して正式に警察で受理されてから「最短40日間」かかります。
この40日間は古物商許可の審査期間となり、特に問題がない場合で40日となります。
つまり、古物商許可取得を検討して、即日申請したとしても、最短で40日間はかかることになります。
この期間は短縮されることなく一定期間かかりますので、お急ぎの場合には一刻も早く申請するようにしましょう。
警察署や役所に最低3回は行かなければならない
古物商許可申請は、要件を満たしていればさほど難しいものではありません。
しかし、非常に手間がかかります。
1)警察署に行くのは最低2回、通常4回程度
まず、警察署には最低でも2回は行かなければなりません。
申請時と許可証の受取時です。
申請も受取も郵送などではできず、直接窓口に行かなければなりません。
また初めて申請される方は、申請書などの取得とその他の確認で1回、申請書などの補正などで1回と合計4回程度行かれる方が多くなります。
警察の受付は、平日の9時~11時半と13時~16時半くらいの間のみです。
しかも古物商担当の職員が1名しかおられない警察署も多く、直前に予約を入れてから行く必要があります。
数日前の予約は受付て貰えず、直前予約の警察署も多いのでご注意ください(事件調査などで、突発的に外出が必要になることがあるからだそうです)。
警察に行く&アクションの回数 |
●申請書などをもらう&その他の添付書類や疑問点の確認 ●申請(補正などで再提出) ●申請書の受理 ●許可証の受取 |
2)役所等にも1~3回行く必要あり
古物商許可申請の必要書類には、個人では「住民票と身分証明書(本籍地がある役所で取得)」、法人はそれに加え「登記簿謄本」があります。
登記簿謄本は、法務局などで取得しなければなりません。
法人の場合は、役員や管理者ごとに「住民票と身分証明書」が必要でさらに大変です。
個人でも管理者が別にいれば、それぞれで必要です。
住民票は、IDチップ付きマイナンバーカードを持っていればコンビニでも取得できます。
しかし、身分証明書は本籍地がある役所の窓口に直接いくか、郵送請求しかできず手間がかかります。
本籍地が遠方や平日休めず窓口に行くのが難しい場合には、郵送請求しかできないのが現実です。
郵送請求の場合には、手数料として「定額小為替」を郵便局窓口で購入する必要があり、さらに手間がかかります。
役所等に行く&アクションの回数 |
●住民票を取得 ●身分証明書を取得(郵送請求はさらに手間がかかります) ●郵便局で定額小為替(郵送で身分証明書を取得する場合) ●登記簿謄本の取得(法人のみ) ※住民票・身分証明書は、役員全員分と管理者全員分も必要 |
自分で申請する場合の標準期間は2~6ヵ月
古物商許可を申請する場合には、前述のとおり警察署や役所等に複数回行く必要があります。
そして、さらに古物商許可申請についての理解や、別途添付書類(営業所の使用承諾書、URL使用承諾書、その他書類)の収集も必要になります。
1)自分で古物商許可申請をする場合の流れ
①古物商許可について理解する。県警本部ホームページや書籍などの読み込み
②管轄警察署に必要書類などの確認。申請書などの入手
③役所等で必要書類など取得
④申請書など作成
⑤予約のうえ申請
⑥申請の補正など
⑦申請受理
⑧40日間の審査期間
⑨許可証の受取
2)警察署とのやり取りが得意な方で2ヵ月くらい
許認可の手続きや警察署などとのやり取りが得意で、平日に自由に時間を取ることができ、古物商許可についてすぐに理解できる方であれば、2ヵ月程度で許可取得可能です。
手続きなどが苦手な上に、平日休みがとれず、まったく申請が進まないというケースもよくあります。
平日休みがとりにくい方は、早めに行政書士への依頼を検討することをおすすめします。その方が、早く取得でき、コスパも良く、ストレスフリーです。
古物商許可申請の難易度が高い場合は要注意
古物商許可申請の難易度が高いケースでは、許可の趣旨や流れをしっかりと理解していないと「不受理や不許可」になる可能性が高まります。
また、添付書類が増え、さらに受理までに時間がかかることが多くなります。
申請難易度が高くなるのは、次のようなケースになります。
●営業所が居住用物件で「営業所の使用承諾書」が必要
●すでに古物取引をしている
●車やバイクの取り扱いがある
●必要書類がない場合(営業所の賃貸契約書、ホームページ利用の確認書類など)
●申請者や役員・管理者に外国人がいる
このような場合には、流れをしっかりと把握していないと、時間がかかるだけでなく、許可されない事態におちいる可能性がありますので、十分にご注意ください。
「古物商許可を取得するのにかかる日数・期間」まとめ
古物商許可は最短で取得するのにも、40日間(審査期間)がかかります。
ただし、自分で初めて申請する場合には、取得まで2~6ヵ月程度を見込んでスケジュールを立てるようにしましょう。
古物商許可申請は、難易度の高い許認可ではありませんが、オンラインや郵送申請などできず、非常に手間と時間がかかります。
さらに、営業所の使用承諾書が必要であったり、うっかり無許可営業をしてしまったりした場合には、申請難易度が高くなりますので、しっかりと理解して申請するようにしましょう。
不安がある場合には、古物商許可申請が得意な行政書士への依頼をおすすめします。
大阪府枚方市くずは「行政書士おおむら法務事務所」は古物商許可申請を専門です。
私自身も約7年ブランド古着買取専門店を運営経験があり、現在も現役の古物商です。
申請書類の作成代行は全国対応しています。大阪・京都・滋賀・奈良・兵庫の一部では、「申請書類の提出代行」や「許可証の受取代行」も対応しています。
疑問点や困りごとなどありましたら「お問い合わせフォーム」より、お気軽にご連絡ください。
参考資料:大阪府警察ホームページ「古物商許可申請」