最近、ニュースで取り上げられることもある「転売」は、基本的に違法行為ではありません。
ただし、中古品やお酒、イベントチケット、偽ブランドなどの転売は、法律違反になるケースもあるので、注意が必要です。
古物取引や転売など、何かビジネスやアクションをおこす際には、必ずしっかりと調べてから行うようにしましょう。
そこでこの記事では、転売で違法になる主なケースについて解説します。
転売自体は違法ではありません
フリマアプリなどで何かを販売することは、ビジネスの知識がなくても副収入を得られる方法として、ますます人気が高まっています。
この方法でお金を稼ぐことは全く問題ありませんが、中には転売することによって法律に違反する物があるので注意しましょう。
転売が違法になる主なケースは、次のようになります。
- 古物商許可を取得せずに中古品の売買をする
- 酒類小売業免許を取得せずに仕入れた(買い取った)お酒を売る
- イベントチケットの転売で利益を得る
- 偽物・偽ブランド品などの販売
古物商許可を取得せずに中古品の売買をする
中古商品を無断で販売することは不正行為です。
中古品の売買は法律で規制されており、正当な許可なく行ってはいけないということです。
1)古物取引を生業にするには古物証許可が必要
営利目的で中古品を調達する場合は、許可を得る必要があります。
転売には、中古品を仕入れてする場合と、新品を仕入れてする場合があります。
そして、中古品を転売する場合は、古物商許可が必要です。
古物商許可があれば、中古品でも問題なく転売できます。
しかし、許可を取得せずに中古品を転売することは、法律違反となりますので注意が必要です。
新品よりも中古品の方が利益も大きく出せて人気ですが、許可証という公的な証明書が必要で、違反すると罰則もありますので、ご注意ください。
転売のために商品を調達する際には、慎重を期して必要な許可証を取得するようにしましょう。
2)古物取引の無許可営業の罰則
古物取引の無許可営業の罰則は、「3年以下の懲役または100万円以下の罰金、もしくはその両方」となります。
知らずに古物商許可証を持たずに中古品を転売した場合は、今後一切取引しないように注意しましょう。
中古品の転売を再開する場合は、まず正規の古物商許可を取得するようにしましょう。
古着屋や中古車店のような事業をするのに許可が必要なことは広く知られています。
しかし、個人がWebなどで販売(通称:せどり)するために、中古品を仕入れる場合にも古物商許可が必要であることは、知らない方もおられるかもしれません。
中古品の販売に関わる場合には、事業者も個人も事前に古物商許可を取得する必要があるということを、再度理解しておきましょう。
酒類小売業免許を取得せずに仕入れ(買い取った)お酒を売る
酒類を所定の許可なく販売することは、法律で固く禁じられています。
商業用または業務用としてアルコールを購入しようとする個人または店舗には、「酒類小売業免許」と呼ばれる適切な許可を取得することが義務付けられています。
このルールは、酒屋やレストランの経営者だけでなく、アルコール飲料の販売に関わるすべての人または団体に適用されます。
従って、転売目的でアルコールを購入する場合は、営業形態にかかわらず、特定のライセンスが必要となります。
高級なお酒は、開封済みでも高価になることがあります。
そのため、これらの商品を取引しようとする人たちの市場には、かなりの熱気があります。
しかし、適切なライセンスがなければ、その努力から利益を得るどころか、罰則を受ける可能性があります。
アルコール飲料の転売を合法的に行うために、始める前に適切なライセンスを取得しておくことをおすすめします。
イベントチケットの転売で利益を得る
2019年より「チケット不正転売禁止法」が施行され、金銭的な利益を目的としたチケットの転売が違法とされました。
したがって、チケットを正規料金以下で転売することのみが許され、一方、値上げは法律で禁じられました。
その結果、チケットを元値以上で販売することは禁止されています。
新幹線のチケットや遊園地のチケットの転売で利益を得ることは違法ではありませんが、イベントのチケットの転売で収入を得ることは禁止されています。
イベントとは、「コンサート、スポーツ、演劇、舞台、演芸」などになります。ただし、海外のイベントは違反になりません。
偽物・偽ブランド品などの販売
有名メーカーの違法な複製品は、しばしば市場に出回っています。
有名な製品の違法な複製品の製造は処罰の対象となるだけでなく、これらの製品の転売も同様に法的処罰の対象となります。
1)商標権の侵害で違法
ブランド名やロゴは商標と呼ばれ、個人や企業が特許庁に登録し、保護されています。
商標を無断で複製することは、「商標権侵害」と呼ばれ、法律違反となります。
ロゴを表示した偽物を作るだけでなく、模倣品を購入して転売するなどの間接的な侵害も含まれ、購入者が不正な製品であることを知らなくても、商標権の侵害となります。
2)偽ブランド等を本物だと騙して売ったら詐欺罪
偽造品を仕入れ、それが偽物であることを理解した上で、正規品であると偽って販売することは違法です。
これは商標権の侵害であると同時に、詐欺行為でもあります。
詐欺罪は、商標権侵害よりも重い犯罪です。
「違法になる転売」まとめ
転売などで違法になるのは、法律で禁止や規制されているものを仕入れたり、販売したりした場合です。主には古物取引やお酒、イベントチケット、偽ブランドなどの転売は法律違反で、罰則が科せられます。
違反になるものは、どれも少し調べればわかるようなものばかりです。
ビジネスや新しいアクションをおこす際には、しっかりと調べてからスタートするようにしましょう。
大阪府枚方市くずは「行政書士おおむら法務事務所」は古物商許可申請を専門です。
私自身も約7年ブランド古着買取専門店を運営経験があり、現在も現役の古物商です。
申請書類の作成代行は全国対応しています。大阪・京都・滋賀・奈良・兵庫の一部では、「申請書類の提出代行」や「許可証の受取代行」も対応しています。
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参考資料:大阪府警察ホームページ「古物商許可申請」