『建設キャリアアップシステム登録は義務?任意?』
『CCUS登録しないとデメリットがある?』
大阪・京都のみならず全国の一人親方でこのような疑問をお持ちの方は多いでしょう。2022年9月現在で建設キャリアアップシステム(CCUS)登録は任意です。しかしキャリアアップシステムに登録しないデメリットは確実に増えてきています。
そこで本コラムでは一人親方がキャリアアップシステムに登録しないデメリットなどについて解説します。
今後のCCUS登録の参考にしていただければ幸いです
建設キャリアアップシステム登録は義務ではない
2022年9月現在で建設キャリアアップシステム(CCUS)登録は、義務ではなく任意となっています。
しかし大手建設会社が元請け会社となる、金額の大きな工事の大半ではキャリアアップシステムが利用されています。そして令和5年度(2023年度)から公共工事で建設キャリアアップシステムの原則化がされる予定です。
そして建退共(建設業退職金共済)も令和5年度からCCUSを利用した電子申請に完全移行する予定となっています。
このようにCCUSの実質的な義務化は着実にすすめられています。
建設キャリアアップシステムの登録とは?
建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録には、事業者登録と技能者登録の2つがあり、一人親方は基本的に両方の登録が必要です。
色々な現場で働き完全フリーランス的な一人親方は、技能者登録のみで良い場合がありますが、例外的といえるでしょう。
一人親方のCCUS登録に必要な費用は次のようになります。
①事業者登録:登録料0円、管理者ID利用料が年間2,400円のみ
②技能者登録:登録料は10年更新で簡略版2,500円、詳細版4,900円
このように一人親方は登録料なども安く設定されていますので、事業者登録と技能者登録の両方を登録しておくのが良いでしょう。
建設キャリアアップシステムを登録しない3つのデメリット
建設キャリアアップシステム(CCUS)登録しない3つのデメリットは次のようになります。今後の業績に関わる大きなデメリットばかりになりますので、しっかりと把握しましょう。
1)仕事が減るリスクがある
CCUS登録しない最大のデメリットは、受注できる仕事が大きく限定され、仕事がなくなってしまうリスクが非常に高いことです。
次の3点などの理由で大半の元請け会社から『CCUS登録しないと仕事を回せない』と言われるようになり、慌ててしまうことになります。
CCUS登録は手間がかかる点はあるかもしれませんが、一人親方の場合にかかる費用は年間3,000円くらいです。これに対して登録しないために発生するリスクや機会損失は非常に大きくなります。
自分で手続きするにしても、専門家などに手続きを依頼するにしても、できるかぎり早く登録手続きをすることをおすすめします。
①公共工事の仕事を受注できない
②大きな工事の仕事を受注できない
③元請け会社から仕事を回してもらえなくなる
2)建退共の手続きリスクがある
前述のように令和5年度から建退共はCCUSを利用した電子申請に完全移行する予定です。CCUSに登録していなくても当面はサービスを受けることはできるようですが、いつまでサービスを受けられるかもわかりません。
また元請け会社が手続きの複雑化を嫌い、CCUS登録していない会社や職人さんに仕事を回さなくなる可能性の方が、現実的には高いのではないでしょうか。
3)キャリアアップしにくいリスクがある
建設キャリアアップシステムはキャリアアップカードに全ての工事現場の入場履歴を蓄積して、職人さんのキャリアを明確化するシステムです。
そのキャリアによってホワイト・ブルー・シルバー・ゴールドと4段階でレベル判定されます。このシステムが定着してくるとキャリアアップカードを持っていないと、自分のキャリアを証明するのが難しくなってくる可能性があります。
CCUS登録が1年・2年と遅くなると、キャリア積み上げも1年・2年と遅れてしまいます。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
一人親方が建設キャリアアップシステム(CCUS)登録しないことはデメリットが大きく得策とは言えません。費用対効果を理解してできるかぎり早目に登録することをおすすめします。
自分で登録することが難しければ、行政書士などの専門家に相談することを検討しましょう。一人親方の手続きの流れは『一人親方が建設キャリアアップシステム(CCUS)登録申請する手続きの流れや費用を解説』などをご覧いただければ幸いです。
大阪府枚方市くずは「行政書士おおむら法務事務所」では建設業許可申請や建設キャリアアップシステム(CCUS)登録などを専門で行っています。建設キャリアアップシステム(CCUS)で不明な点等などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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参考資料:国土交通省「CCUSポータル関係資料」