CCUS技能者登録のQ&A「どのくらいかかる?簡略型と詳細型どっち?」

『建設キャリアアップカードがないと現場に入れないといわれた』
『CCUS技能者登録は簡略型と詳細型どちらにしたらよいの?』

このようにお悩みの方は多いのではないでしょうか?

キャリアアップカードが届くまで、早くても1ヶ月から3ヶ月かかります。技能者登録の簡略型と詳細型どちらがよいかは、ケースバイケースです。

これらのよくある質問について、CCUS公式ホームページの見解やCCUS登録申請の実情をふまえて、わかりやすく解説します。

とくにキャリアアップカードが急ぎで必要な方は参考にしていただければ幸いです。正しい状況を把握して適切な対応をしましょう。

 

 

建設キャリアアップカードはどのくらいで手元に届く?

まずは結論から言いますと、建設キャリアアップカード申請して不備がない場合は、手元に届くまで最短でも約1ヶ月かかります。技能者登録申請が混み合っている時期などは3ヶ月くらいかかることもあります。

 

令和5年4月にむけてさらに時間がかかるようになる可能性があります。令和5年度から建設キャリアアップシステム(CCUS)は公共工事では原則化される予定で、駆け込み申請が予想されるからです。

 

申請内容に不備があれば、再審査になりさらに1ヶ月から3ヶ月くらいかかることがあります。じっさい自分で技能者情報登録申請された80%から90%で、不備修正が発生しています。

 

インターネット申請の登録画面を見ると、かんたんそうに感じるのかもしれません。しかし現実は、ほとんどに不備があるという結果になっています。入力方法や書類の添付などに細かいルールがあり、「技能者情報登録宣誓書の手引」を熟読しないと不備なしは難しいかもしれません。

 

参考資料:建設キャリアアップシステム(CCUS)「技能者情報登録宣誓書の手引」

 

CCUS技能者情報登録申請の流れは次のようになります。

インターネット申請(簡略型と詳細型)
CCUSホームページから登録申請

技能者登録料を支払い(簡略型2,500円、詳細型4,900円)

確認・審査

不備がなければCCUS技能者情報登録完了

建設キャリアアップカードが手元に届く(申請して1ヶ月から3ヶ月かかる)
技能者IDを通知

※申請内容に不備があれば修正申請し、再度確認・申請に時間がかかります
※自己申請の80%から90%で不備修正が発生しています
認定登録機関申請(詳細型のみ)
※顔写真付き本人確認書類がない場合は、認定登録機関申請のみ
登録申請書を入手(窓口入手またはホームページでダウンロード)

登録申請書に手書きで記入↓技能者登録料を支払い(詳細型4,900円)

認定登録機関に提出(予約のうえ持参または郵送など)
※混雑具合や社会情勢により提出方法は変更の可能性あり

確認・審査

不備がなければCCUS技能者情報登録完了

建設キャリアアップカードが手元に届く(申請して1ヶ月から3ヶ月かかる)
技能者IDを通知

※インターネット申請以上に時間がかかる可能性が大きい

CCUSの建設キャリアアップカードが手元に届くまでの期間(申請期間)まとめ

通常1ヶ月から3ヶ月+不備があれば再審査1ヶ月から3ヶ月

最短1ヶ月、最長6ヶ月くらい

 

 

 

技能者登録は簡略型と詳細型どちらがいいの?

建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者情報登録は、簡略型登録か詳細型登録か選んでおこないます。ただし、認定登録機関申請は詳細型登録のみになります。

 

簡略型と詳細型のちがいは、保有資格などを登録してレベル判定をおこなえるかと、登録料(簡略型2,500円、詳細型4,900円)になります。

 

簡略型登録は保有資格などを登録しないのでレベル判定できません。そのかわりに手続きがかんたんで、登録料がやすくなっています。ひとまず簡略型登録しておいて、あとで詳細型登録をするということができます。急ぎで建設キャリアアップカードが欲しいときは、この方法をとっておいてもよいかもしれません。

 

1)簡略型登録と詳細型登録:登録内容と登録料のちがい

それでは簡略型登録と詳細型登録の、登録内容と登録料のちがいについて解説します。わかりやすく一覧表にまとめました。

簡略型
2,500円
詳細型
4,900円
項目 入力項目
本人情報 氏名・生年月日・性別・血液型・国籍
現住所・電話・FAX番号・メールアドレス
CCUSカード送付先(現住所とちがい場合のみ)
緊急連絡先の住所・電話番号・氏名
所属先事業者情報 基本情報・メールアドレス・雇用形態
職種 職種を選択
経験など 過去の経験(自由記述)
社会保険 健康保険・年金・雇用保険
建設業退職金共済 被共済者番号
中小企業退職金共済 被共済者番号
労働保険特別加入 労災保険整理番号
健康診断 健康診断種別コード
学歴 学校名
登録基幹技能者資格 資格名を選択
保有資格など 資格名を選択
研修などの受講履歴 研修名など
表彰履歴 表彰名など

※●は入力必須、△は該当するときに入力します

 

まず簡略型で登録(2,500円)してのちに詳細型で登録する場合は、追加登録料2,400円でおこなえます。二度手間になりますが登録料は合計4,900円でおなじなので、急ぎでCCUSカードが必要な場合は検討の価値がある方法です。

 

参考資料:建設キャリアアップシステム(CCUS)ホームページ「2段階登録申請について」

 

2)簡略型登録と詳細型登録のメリット・デメリット

CCUS技能者情報登録の簡略型登録と詳細型登録のちがいをふまえて、それぞれのメリット・デメリットについてまとめてみます。

 

◆簡略型登録のメリット・デメリット

メリット
  • 入力項目が少ないので提出書類も少なく手続きの手間が少ない
  • 登録料が安い(2,500円)
デメリット
  • 経験が登録できず見習い技能者のまま
  • 保有資格などを登録できずレベル判定できない
  • レベル判定できないので経営事項審査判定で加点がない

 

◆詳細型登録のメリット・デメリット

メリット
  • 技能者の経験・資格が証明でき、会社の技術力をアピールできる
  • レベル判定でき技能者のキャリアアップにつながる
  • レベル判定でき経営事項審査で加点をねらえる
デメリット
  • 入力項目が多く提出書類も多いので手続きの手間が格段に多い
  • 登録料が高い(4,900円)

 

3)簡略型登録と詳細型登録どちらを選ぶ?

簡略型登録と詳細型登録のちがいやメリット・デメリットについて確認しましたが、どちらを選ぶべきなのでしょうか。

 

◆簡略型登録でよい場合

  • できるだけ早くキャリアアップカードが欲しい場合
  • 高齢などでキャリアアップなど関係なく、仕事ができればそれでよい場合
  • レベル判定や経営事項審査などが関係ない場合

◆詳細型登録をした方がよい場合

  • 技能者や会社の成長を考えれば詳細型登録をした方がよい
    レベル判定や経営事項審査を受ける場合も詳細型登録をした方がよい

ただし簡略型登録したあとでも詳細型登録へ変更できますので、状況に応じてどちらで登録するか考えてもよいでしょう。

 

建設キャリアアップシステム(CCUS)よくある質問まとめ

 

「CCUSよくある質問」を最後までご覧いただきありがとうございます。

建設キャリアアップシステム(CCUS)カードは、申請から手元に届くまで不備修正がなくても1ヶ月から3ヶ月かかりますので早目に手続きしましょう。
技能者情報登録は基本的には詳細型登録をした方がよいでしょう。

それでは本コラムのまとめです。

 
 

●CCUSカードが届くまでの期間
 通常1ヶ月から3ヶ月+不備修正1ヶ月から3ヶ月=最短でも1ヶ月

●自分で登録申請した80%から90%は不備修正あり

●詳細型登録は経験や保有資格の登録ができキャリアアップできる

●従業員や会社の成長を考えると詳細型登録をした方がよい
 ただし簡略型登録から詳細型登録へ変更もできる

 
 

大阪府枚方市くずは「行政書士おおむら法務事務所」は建設業許可申請などを専門でおこなっています。建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録申請などでお困りごとなどありましたら、お気軽にお問い合わせください。

 


参考に「建設キャリアアップシステムの登録申請代行・代理を行政書士に依頼する6つのメリット」もご覧いただければ幸いです。

 

  • この記事を書いた人

特定行政書士×プロライター

ビジネス・法律系記事の執筆が得意な人。会社経営歴10年。
東証一部不動産・建設会社や中小企業、社労士事務所などで「法律系事務」や「人事総務」などを長年経験。

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