大阪で一人親方が自分で建設業許可申請をする流れを行政書士が解説

『建設業許可の申請は自分でできる?』
『行政書士に依頼する費用を節約したい』

建設業許可を取得するときにこのように考える方もおられるのではないでしょうか。

事務作業や法律に詳しく時間的に余裕のある方であれば、すごく大変ですが自分で申請することは可能です。法律上、申請代行を依頼する場合は行政書士となりますが、自己申請はとくに問題ありません。

そこで本コラムでは大阪の一人親方などが自分で建設業許可申請をする流れを行政書士が解説します。参考にしていただければ幸いです。

取得したい建設業許可の種類を決める

建設業許可には国土交通大臣許可と知事許可があります。大臣許可と知事許可では提出先が違ってきますので、どちらにするか最初に決めます。

大臣許可 二つ以上の都道府県に営業所がある場合
知事許可 一つの都道府県に営業所がある場合


管轄の官公署などに相談する

まずは管轄の官公署などに相談しましょう。大阪で知事許可の場合は大阪府庁、大臣許可の場合は近畿地方整備局が申請先となり相談窓口となります。

ここで建設業許可申請の手引きなどを入手し、注意点や今後の流れを確認します。注意点や今後の流れは都道府県や担当者によって違いがありますので、しっかりと確認しておきましょう。


建設業許可申請について勉強する

入手した建設業許可申請の手引きなどをもとに申請について勉強します。手引きを何度も熟読し内容をしっかりと理解しましょう。内容の理解度によって、許可取得率に大きな差が生じることがありますので注意が必要です。

実際に自分で申請する場合と、専門家である行政書士が申請する場合は許可取得率に大きな差が生じるケースもありますので、しっかりと勉強しましょう。


許可の区分や業種を決める

建設業許可には2つの区分と29業種があります。建設業許可を取得したい区分と業種を決定しましょう。

一般建設業 下請けに出せる金額が4,000万円(建築工事は6,000万円)未満
特定建設業 4,000万円(建築工事は6,000万円)以上も下請けに出せる
業種
土木一式、建築一式、大工、左官、とび土木コンクリート、石、屋根、電気、管、タイルれんがブロック、鋼構造物、鉄筋、ほ装、しゅんせつ、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上、機械器具設置、熱絶縁、電気通信、造園、さく井、建具、水道施設、消防施設、清掃施設、解体工事


建設業許可の要件を満たしているか確認する

建設業許可には6つの要件があります。

①経営業務管理責任者がいる(建設会社経営5年など)

②専任技術者がいる(資格がある、実務経験10年など)

③財産的基礎がある(一般建設業の場合は500万円以上の資産)

④建設業の営業を行う事務所がある

⑤適切な社会保険に加入している

⑥欠格要件に該当しない


要件の中でポイントになるのは①経営業務管理責任者と②専任技術者の人的要件になります。①経営業務管理責任者は経営5年などに該当しなければ要件を満たすまで待つしかありませんし、②専任技術者を実務経験10年で証明するのは非常に困難です。

実務経験10年の証明には請負契約書などの書類が必要で、書類がない場合は証明できないことになります。仮に書類があっても建設業許可を取得したい業務の経験を証明できる記載が必要など非常に大変です。


くわしくは『大阪で建設業許可を新規取得する6つの要件を行政書士が解説【チェックリスト付き】』をご覧ください。


必要書類などを集める

建設業許可の要件を満たしている場合は、必要書類などを集めていきます。要件の内容によって集める書類が異なりますので、しっかりと確認してから集めるようにしましょう。

手引きなどを見てもよく分からないものなどがある場合は、提出先にしっかりと確認しましょう。必要な書類は厳格に決められていますので、「だいたい同じような書類だからよいだろう」などの曖昧な認識では受け付けてもらえず、無駄な労力ばかりかかってしまいますので注意が必要です。


大阪府知事許可の必要書類について、詳しくは『大阪で建設業許可申請のときに提出する必要書類を専門の行政書士が解説』をご覧ください。



申請書類を作成する

申請書類は必ず最新のものを入手しましょう。大阪府庁など申請先ホームページからダウンロードできることが多いので確認してみましょう。

パソコンがなくダウンロードできない場合は、申請先に訪問し入手しましょう。


申請する

申請書類を作成し必要書類もすべて揃ったら建設業許可申請をしましょう。大阪府知事許可の場合は大阪府庁建築振興課が申請先になります。

大阪府の場合は申請に先だって事前チェックサービスを利用できます。郵送でも利用でき来庁回数や待ち時間削減に効果的です。他の地域でも事前チェックサービスを実施している場合がありますので、確認してみるとよいでしょう。

申請の際には新規申請手数料として9万円が必要です。大臣許可は15万円となります。

申請が受理されれば申請は終了です。書類の不備や不足などがある場合は、修正後に再度申請となります。


許可通知書が郵送される

大阪府知事許可では申請書を受付した日から、許可の通知書が発送されるまで約30日となります。大臣許可の場合は約120日程度とかなり日数がかかりますので、ご注意ください。

建設業許可通知書が手元に届けば申請完了となります。


自分で建設業許可申請をするまとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。

建設業許可申請は自分でも行うことができます。ただし手間暇がかなりかかりますので、費用対効果やコストパフォーマンスを比較して、自分で申請するか行政書士に依頼するか検討すればよいでしょう。

それでは本コラムのまとめです。

●建設業許可申請は自分で出来る
ただし大変で時間もかかり何度も申請先に行く必要がある

●建設業許可申請を自分でする流れ
・建設業許可の種類を決める
・管轄の役所などに相談する
・建設業許可申請の知識取得
・許可の区分や業種を決める
・要件を確認する
・必要書類などを集める
・申請書を作成する
・申請する
・許可通知書が届くのを待つ

●大阪府知事許可は申請して約30日、大臣許可は約120日かかる
申請するまでの書類準備の日数が別途かかるので
書類準備30日+処理期間30日=約60日くらいを目安にしましょう

大阪府枚方市くずは「行政書士おおむら法務事務所」は、大阪・京都の建設業許可を専門におこなっています。建設業許可申請などでご不明なことなどございましたら、お気軽にお問い合わせください。

参考資料:大阪府ホームページ『建設業許可の申請・閲覧・証明等』

  • この記事を書いた人

特定行政書士×プロライター

ビジネス・法律系記事の執筆が得意な人。会社経営歴10年。
東証一部不動産・建設会社や中小企業、社労士事務所などで「法律系事務」や「人事総務」などを長年経験。

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