『古物商許可の使用承諾書がもらえない』
『使用承諾書を断られたときはどうすればよい?』
店舗を構えて古物商をスタートするときにはほとんど問題になりませんが、近年のようにメルカリやヤフオクなどを使って手軽に転売を始めようとしたときに一番問題になるポイントかもしれません。
使用承諾書がもらえない場合には、別に営業所にできる場所を確保するしかありません。しかし、新たに営業所を借りるとなると出費が大きく、手軽に始めたいときには戸惑ってしまうかもしれません。
当コラムでは使用承諾書がもらえない場合の対処方法を分かりやすく解説します。使用承諾書でお困りの方の参考になれば幸いです。
古物許可取得で使用承諾書が必要な場合
まず基本的なことから確認していきます。
2022年10月現在において、古物商許可申請で営業所の使用承諾書は必要書類ではなくなっています。
しかし、過去のなごりもあり現実的な運用では「使用承諾書」または「貸主などの承諾」を求められることが大半です。
使用承諾書が必要なケースと不要なケースはつぎのようになります。
必要 | ・自宅マンション(居住用) ・賃貸マンションなど(居住用) ・実家など親の所有物件など(家屋、ビルなど) |
不要 | ・事業用テナント ・賃貸マンションなど(事業用または事務所使用可) ・自己所有物件(家屋、ビルなど) |
基本的に使用承諾書が必要になるのは居住用マンションなどになり、古物営業スタートで近隣トラブルの可能性があると考えられ必要とされてきました。
トラブルを未然に防止し、健全な古物営業をおこなうために求められるのが使用承諾書ということになります。
使用承諾書の運用に関しては、地域ごとの管轄警察署によって異なります。
しかし、使用承諾書が不要の場合でも、事後トラブル防止のため管理組合や貸主の承諾はとっておくようにいわれますし、現実的にもとっておいた方がよいでしょう。
古物営業を始めてから貸主にばれてしまうと、関係が悪化して退去を迫られることもありますので注意しましょう。
使用承諾書を断られた場合の5つの対処方法
それでは使用承諾書を断られた場合の対処方法を5つ解説します。
基本的に考えられる対処方法は、この5つくらいになると思われます。
1)営業所にできそうな所がないか検討する
まずは他に営業所にできそうな所がないか探してみましょう。
実家が持ち家などの場合は一番可能性があります。親の所有物になりますので、「土地建物の登記簿謄本」と「使用承諾書」が必要になることがありますが問題ないでしょう。
あとは親戚や知人の所有物件などになるでしょう。
ただし、営業所として認められるのは申請人住所から片道2時間以内くらいまでです。なぜなら営業所には常勤の管理者を置く必要があり、片道2時間以上は通勤できないだろうということになるからです。
この場合で実家を営業所にする場合は、親などに常勤の管理者になってもらうか、申請者が実家に引っ越して管理者にならなければなりません。
2)今の物件を契約条件変更で再度交渉する
また、今の物件で契約条件変更を申し入れて再度交渉するのも、一つの方法です。
なぜなら同じ物件であっても居住用と事業用では賃料や保証金・保証料などがちがうのが一般的だからです。事業用物件になると家賃に消費税もかかり、火災保険料も変わってきます。通常は居住用から事業用に切り替える場合には、追加の費用が必要になります。
例)賃貸マンションの場合
居住用 | 事業用(家賃に消費税がかかる) |
家賃:50、000円 |
家賃:60、000円 消費税:6,000円 保証金:200,000円 保証料:年20,000円 火災保険:年10,000円 |
このように同じ物件でも事業用になると、様々なリスク面などから費用が変わってきます。居住用の条件で使用承諾書を求めたから、断られたという可能性もあります。貸主などからしたら『同じ料金のままでは許可できない』ということです。
3)営業所にできる物件を新たに借りる
新たに営業所にできる事業用物件を借りて、古物営業を取得する方法もあります。
『古物営業をスタートするにあたってテナントの賃貸を考えていた』『そろそろ引っ越しを考えていた』などの方はこの方法でもよいでしょう。
ただ、『まずは手軽にメルカリ転売などを始めたい』という方には費用もかかり、二の足を踏んでしまうのではないでしょうか。
メルカリ転売を初めて、順調に売上も増えて商品の置き場所に困るようになり、広い部屋などに引っ越したという話はよく聞きます。転売が軌道に乗ったら引っ越したいという方が多いのではないでしょうか。
4)古物商許可の取得をひとまず諦める
今のままでは古物商許可が取れないのであれば、ひとまず取得を諦めて許可がいらない転売を始めるという方法もあります。
小売店やメーカーなどから新品を仕入て転売する場合には古物商許可が不要です。商品の状態や損傷を気にする必要がなく、初心者の方にもおすすめの転売方法になりますので、ここからスタートするというのもよいかと思います。
5)古物商専門の行政書士に相談する
これが一番簡単で確実な方法だと思います。まずは古物商専門の行政書士へ相談してみましょう。
『古物商許可申請に関することをすべて自分でおこないたい』という方以外であれば、行政書士に依頼するのは一番コスパがよい方法だといえます。
1から4の方法にしても自分ですべて調べてからおこなうとなると膨大な時間がかかります。事務作業や法律に詳しい方で1週間、一般的な方であれば1ヵ月調べたあげく申請を断念ということも珍しくないのではないでしょうか。
『使用承諾書を断られてから既に相当な時間、方法を考えている』という方は、ぜひ古物商専門の行政書士への相談を検討してみましょう。
古物商許可の使用承諾書まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
現在、営業所の使用承諾書は必要書類ではなくなっています。しかし、実際には使用承諾書または承諾を得るように求められることが大半です。
万が一、使用承諾書をもらえない場合でも対処方法がありますので、自分の状況にあった方法を検討してみましょう。
古物商許可申請はすべての要件を満たしていても手間のかかる申請です。
申請書に記載する事項はシンプルかもしれませんが、手続きの流れを把握したうえで、必要書類を確認して申請するのには膨大な時間がかかります。これに加えて最低でも2回は警察署に足を運ばなければなりません。
使用承諾書を断られた場合や、何らかのトラブルが発生した場合には、手間も2倍、3倍とふくれあがります。
『忙しくて平日などに時間が作れない』
『管轄警察署まで遠くて大変』
『コスパよく古物商許可を取りたい』
『手続きが複雑でどうしてよいかわからない』
などの方は、古物商専門の行政書士への相談を検討してみましょう。
大阪府枚方市くずは「行政書士おおむら法務事務所」は古物商許可申請が専門です。現役古物商である行政書士が古物商許可申請を全力サポートします。
大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良の一部では提出代行可能です。最短翌日申請可能な特急対応や許可証受取代行もおこなっていますので、お忙しい方はぜひお声掛けください。
まずは「お問い合わせフォーム」よりご連絡いただければ幸いです。
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●大阪府全域
大阪市、枚方市、寝屋川市、交野市、門真市、守口市、東大阪、八尾市、高槻市、茨木市、摂津市、吹田市、池田市、豊中市など
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●兵庫県
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大津市、草津市、栗東市、守山市、野洲市、近江八幡市、東近江市など
●奈良県
奈良市、生駒市、大和郡山市、大和高田市、天理市、橿原市、御所市、葛城市など
参考資料:大阪府警察ホームページ「古物商許可申請」