創業融資は受けない?自己資金だけで開業するリスクとメリット、注意点について解説します

自己資金だけを使って事業を始めることは、一つの大きなチャレンジです。しかし、リスクがあればメリットも存在します。

この記事では、自己資金のみで開業することに伴うリスクや、注意点について解説します。同時に、手元資金だけで開業する場合に得られる、独立性や経営上の余裕といったメリットについてもお話しいたします。あわせて、創業融資を受けた方がよいケースについても説明しますので、自己資金だけで事業を始めることに関心をお持ちの方も、再検討の材料として是非ご一読ください。

自己資金だけで開業する3つのリスクとは?

自己資金だけで開業するリスクは、主に以下の3点になります。

1)資金不足で迅速な事業展開ができない
2)融資信用力がなく追加の資金需要にスムーズな対応ができない
3)家庭生活にも影響がでて不測の事態に対応できない

1)資金不足で迅速な事業展開ができない

自己資金での開業に伴う最大のリスクは、資金不足です。外部からの資金がなければ、事業を軌道に乗せるのに十分な資金を準備することは難しいでしょう。事業を迅速に拡大するためのリソースや、マンパワーが不足する可能性があることも認識しておく必要があります。資金が不足して、提供できる商品やサービスの種類が限られてしまったり、市場競争力を維持するために必要な技術や人材を獲得・開発できなかったりする可能性があります。

2)融資信用力がなく追加の資金需要にスムーズな対応ができない

また、自己資金だけに頼っていると財源の流動性が低くなり、事業が拡大した場合に追加資本を利用することが難しくなります。創業融資などを受けていないと、信用枠やその他の融資オプションへのアクセスを困難にする可能性があります。信用はほとんどのビジネスにとって必要不可欠なものであり、それがなければ成長は難しいかもしれません。

3)家庭生活にも影響がでて不測の事態に対応できない

さらに、自己資金だけで会社運営していると、個人生活や家庭生活に負担をかけることもあります。個人の家計が厳しくなり、生活費を賄うのに苦労するかもしれません。追加資金が必要になった場合や、不測の事態に備えた資金を残しておくことは、事業運営の上で非常に重要です。

自己資金だけで開業するメリット3選とは?

自己資金だけで開業するメリットは、主に以下のようになります。

1)返済や金利の支払いがない
2)融資元の制約を受けないので自由度が高い
3)返済不能による倒産リスクが低い

1)メリット1:返済や金利の支払いがない

まず、融資を受ける必要がないため、返済の負担や金利の支払いを心配する必要がありません。自宅で開業するフリーランスなど、開業費用や運転資金がさほどかからないケースでは、非常に大きな利点となります。

2)メリット2:融資元の制約を受けないので自由度が高い

また、自己資金のみ使用することで、事業全体の所有権を保持できます。融資を受ける場合、貸付元が一定の制約を課すことがありますが、自己資金のみであれば自由度が高まります。

3)メリット3:返済不能による倒産リスクが低い

さらに、自己資金を活用することで、リスクを最小限に抑えることができます。融資を受ける場合、返済期限や貸付条件に応じなければならないため、事業が順調に進まなかった場合に返済に苦しむ可能性があります。

しかし、自己資金の場合、財務状況や事業の成果に合わせて柔軟に経営戦略を立てることができます。融資を受けても返済ができない場合には、倒産となりますが、このようなリスクをおさえることが可能です。

4)融資以外の資金援助や支援制度を活用しよう!

自己資金だけで起業する場合でも、助成金や補助金などの資金援助や、ビジネスサポートなどの支援制度を活用することが重要です。例えば、政府系列の日本政策金融公庫は、創業融資以外の起業をサポートするためのサービスを多数提供しています。事業計画書作成や起業知識などのセミナーや情報発信も多くありますので、積極的に活用しましょう。

自己資金だけで起業することにはメリットもありますが、資金面での制約があるため、国や地域の支援制度を上手に活用することで、よりスムーズな起業が可能となります。事前の計画や相談をしっかりと行い、自己資金と支援制度を組み合わせることで、成功への道が拓けるでしょう。

自己資金のみで開業する場合の注意点

自己資金で開業する場合、いくつかの点に注意することが重要です。

まず、自己資金で開業する場合のリスクをよく調べ、理解した上で開業することです。事業に失敗した場合に、失ってもいいと思える資金だけで起業するのも1つの方法と言えるでしょう。

第2に、事業のビジョンをまとめた詳細な事業計画を必ず作成することです。この計画には、ターゲットとする顧客層、市場でのポジショニング、資金調達の必要性などに関する詳細な情報を明確にするメリットがあります。

第3に、事業を成功させるために犠牲を払う覚悟を持つことです。自己資金を貯めるには、コツコツとした努力が必要であり、事業を管理するために余分な時間を費やす必要があるかもしれません。

最後に、予想される初期費用や月々の支出をすべてまとめた予算を作成し、必要な資金計画をしっかりと立てておくことも非常に重要です。自己資金だけで起業したものの、お金がまったく足らない状況になると、ビジネスどころではなくなります。

創業融資を検討すべきケース

自己資金での開業にはメリットもありますが、創業融資を検討すべきケースもあります。多額の初期費用が必要な場合や、早期に事業を成長させたい場合は、借入を利用することで必要な資金を調達する方がよいでしょう。

また、一定量の在庫確保やスタッフ増員、事業の拡大が必要な場合も、ローンを利用することでこれらの費用を賄うことができます。ローンを利用するもう一つの大きなメリットは、金融機関の信用を得られる可能性があることです。一度、日本政策金融公庫などの創業融資を受けておけば信用力が付き、追加資金が必要な場合にもスムーズに借入が可能になります。

起業を検討している方にとって、日本公庫の創業融資は重要な資金調達手段です。公庫の創業融資を利用するメリットは、低金利や返済条件の優遇などが挙げられます。

創業融資では、審査で重視されるポイントを押さえることが重要です。審査では、自己資金の割合もチェックされます。創業者がコツコツと自己資金を貯めてきた努力が評価されます。

また、起業する業界の経験や能力も評価され、起業家の過去の経験や専門知識、ビジネス計画への取り組み姿勢などが重視されます。さらに、事業計画の具体性や将来の成長性、市場の需要動向や競争状況なども審査に影響します。

創業融資を利用する際には、まずは日本政策金融公庫や銀行などの金融機関に相談しましょう。公庫などは創業者をサポートするため、創業融資に関する情報やアドバイスを提供してくれます。また、自治体が提供している制度融資も活用できます。制度融資は地域によって異なるため、まずは地域の公式ウェブサイトをチェックしましょう。

最後に、創業融資の申請には時間がかかる場合がありますので、事前に準備を進めることが重要です。ビジネスプランの作成や財務計画の確認、書類の整理などを行っておくことで、審査のスムーズな進行が期待できます。創業融資を適切に活用することで、新たなビジネスのスタートを成功させることができます。

「自己資金のみで開業するリスクとメリット」まとめ

自己資金での開業は、メリットだけでなくリスクもあるため、大変な挑戦となる可能性があります。事前に、徹底的なリサーチを行い、利用可能なあらゆる資金調達の選択肢を探ることが重要です。また、詳細な事業計画を立て、予算を立て、事業を成功させるためのコツコツとした努力も必要です。正しい基礎があれば、ビジネスを成功させ、求めていた自由を手に入れることができるでしょう。

大阪府枚方市くずは「行政書士おおむら法務事務所」は、創業融資のサポートを行っています。

創業融資で必要な「創業計画書(事業計画書)」や「収支計算書」の作成や、トータル的なサポートなど、お客様のご希望にあわせた対応も可能です。

疑問点や困りごとなどありましたら「お問い合わせフォーム」より、お気軽にご連絡ください。

参考資料:日本政策金融公庫「新創業融資制度」

  • この記事を書いた人

特定行政書士×プロライター

ビジネス・法律系記事の執筆が得意な人。会社経営歴10年。
東証一部不動産・建設会社や中小企業、社労士事務所などで「法律系事務」や「人事総務」などを長年経験。

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